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数十万円のサイト利用料を請求する詐欺グループが逮捕された。払ってしまうのは「身に覚えのある人」だ。たとえそうでも、絶対に払ったり連絡したりしてはいけない。
アダルトサイト詐欺で被害4億円
4億円を超す被害を出したアダルト詐欺グループが、今年1月に摘発されている。愛知、富山両県警が逮捕したのは住所不定無職の緒方弘容疑者(37)。弁護士を装って電話をかけ「アダルトサイトの登録料金が未納になっている」と嘘をつき、約23万円をだまし取った容疑だ。
報道によれば緒方容疑者の詐欺グループは平成17年ごろから架空請求を繰り返しており、被害者は全国で620人、総額で約4億2700万円になるとみられている。アダルトサイト詐欺で4億円もの被害が出るとは驚きだ。
このほかにもサイト利用料を名目にした、次のような架空請求詐欺グループが続々と逮捕されている。
●詐欺グループ15人を一斉逮捕(東京)
「携帯電話サイトの未納料金がある、違約金を請求する」というメールを送り、現金をだまし取ろうとした容疑で、料金請求詐欺グループ15人を一斉逮捕。全国で16件、約4600万円の被害が確認されている。報道によれば、都内マンションや容疑者の一人が店長をしていたクラブなどから1日4000〜5000通の詐欺メールを送信していた。
●詐欺グループの「出し子」を逮捕(和歌山)
詐欺グループの共犯者として、現金を運ぶブローカー役と、口座からお金を引き出す出し子役の2人を逮捕。2人は既に逮捕されているメンバーと共謀し、有料サイト利用未払い金の名目で現金をだまし取った容疑。グループは出会い系や風俗関係のサイト利用者の名簿を持っており、詐欺に利用していた模様だ。
いずれも携帯電話のサイト利用料を名目にした詐欺で、いわゆる架空請求詐欺だ。東京都消費生活総合センターによると、平成21年度(11月まで)の架空請求通報件数は9035件にも及んでいる。以前よりも減ってはいるものの、いまだに架空請求の被害が大量にある。
「架空請求」と思えず被害者に
料金請求詐欺メールの例。退会処理のために電話をしてこいとの内容だ 架空請求の被害が続く理由は、被害者を信じ込ませる巧妙な手口が使われているからだ。以前はいきなり「○万円のサイト利用料を請求します」という直接的なメッセージの詐欺メールが中心だった。それが現在では「以前に登録されていたサイトの退会がすんでいない」「○日までに操作しないと料金が発生する」などのメールに変化してきている。
退会処理のために電話をしなさいという内容だ。連絡すると様々な名目で「金を払え」「払わないと裁判にするぞ」などと脅してくる。つまり犯人が求めているのは、「請求に反応するカモ」なのである。
怪しい請求メールに反応してしまうのは、以前に何らかの「身に覚えがある」人だ。アダルトサイトを見た、無料動画サイトで再生した、無料の情報サイトに登録した、出会い系サイトをのぞいた、などの経験がある人が反応してしまう。「もしかしたら、あの時のサイト?」などと思ってしまい、怖くなって連絡したりメールしたりしてしまうのである。誰でも一度や二度は怪しいサイトを見たことがあるだろう。そこを突いてくるのが詐欺グループの手法なのである。
「架空請求にだまされるな」とよく警告されるが、実際は「架空」の請求だとわかれば、だまされる人はいない。被害者にとってみれば「架空」ではないから、連絡したり払ったりしてしまう。「架空請求に注意」ではなく、「後払いの請求は詐欺を疑え」としたほうがいいだろう。
流出した電話番号、メールアドレスリストを悪用
ある名簿販売業者の取り扱いリスト。アダルトビデオ購入者の名簿を堂々と販売している 犯人グループは、身に覚えのある人を狙うために、詐欺ターゲットのリストを利用している。以前の記事「『名簿屋」』がネット犯罪を助長している」で詳しく紹介しているが、いわゆる名簿屋が売っているリストを基にして、メールや電話をかけているのだ。例えば無料情報サイトの登録者リスト、アダルトサイトの利用者リスト、DVD通販の顧客名簿などを悪用している。流出している場合もあれば、最初から詐欺目的で無料サイトを運営している場合もある。
筆者が最近相談を受けたのは、児童ポルノがらみの詐欺電話だ。流出した名簿を基にして以下のような電話をかけてくる。
「児童ポルノ対策の管理会社の○○○と申します。このたび、児童ポルノ販売業者が摘発されまして、顧客名簿にあなたの名前が登録されておりました。その顧客名簿が手元にありますが、こちらで削除の手続きをいたします」
児童ポルノ販売業者の名簿から削除する、という名目で金をだまし取ろうとする詐欺だ。架空請求というよりも、脅迫電話に近いものだろう。名簿が流出しているだけでなく、名簿から削除するということを詐欺の名目にしている。
同様の手口が広がりつつあるようで、出会い系サイトの名簿を使ったメールや電話、無修整動画サイトの名簿削除のために料金請求、といった詐欺行為が行われている。もちろん、連絡したりお金を払ったりする必要は一切ない。
無視が大原則、消費者センターか警察に相談を
このような後払いの高額請求、サイトの利用料金請求、名簿削除の手数料といったメールや電話はすべて無視するのが基本だ。携帯電話メールであれば受信拒否に設定し、パソコンメールであれば迷惑メール対策ツールなどで「ごみ箱」行きにすればよい。直接かかってくる電話も着信拒否にしよう。
端的にいって、後からメール、電話で料金を請求してくるケースは詐欺だと考えよう。無料サイトと称して、自動継続後は有料になり、料金を後から請求するのも詐欺の手口である。
犯人が求めているのは、メールや電話で反応してしまう「身に覚えのある人」だ。だから、請求メールや電話に対して反応するのはカモになるのと同じことだ。繰り返しになるが完全無視が大原則だ。お金を払ってしまった、脅迫されたなどの被害が出た場合は、最寄りの警察署、もしくは各都道府県の消費者センターに相談しよう。
▽参考サイト
・「名簿屋」がネット犯罪を助長している:サイバー護身術
・消えないアダルトサイト画面:サイバー護身術
・続いています!架空請求メールの被害(東京都)
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