|
|
登場人物
主婦 はなこ(60歳代)
主婦 まちこ(70歳代)
営業員 よくゆうぞう(20歳代)
ナレーション
ある晴れた日、はなこさんとまちこさんは、久しぶりに繁華街まで買い物がてら散歩に出ることにしました。すると、駅前で若い男性営業員(よく)がビラを配っていました。
営業員: そちらのお姉さん、この地域で新しく健康食品のお店を開きました、丸三角商事です。今日は開店セールで、素敵な景品がもらえますよ!ぜひお立ち寄りください。このビラを持っていけば景品と交換できます。
はなこ: あら、何かしら?景品がもらえるんですって。私たちも行ってみましょうよ。
まちこ: なんだか分からないけど、そうしましょう。 ナレーション
こうして2人は、新しく開店したというお店に行ってみることにしました。お店にはたくさんの人が集まっていて、たくさん置かれているイスがすでにほとんど埋まっていました。はなことまちこさんも、景品を受け取った後、席につきました。
営業員: ようこそ、いらっしゃいました。さあさあ、中のほうへどうぞ。まずは、お集まりくださった皆様に、私どもで販売する商品について少しお話をしたいと思います。今回、発売します私どもの商品「ヨクナール」は、やまと大学教授で高名な、ああそう博士が長年研究された結果、やっと生産にこぎつけた商品です。これを毎日飲むと、便通がよくなり、ひざや腰の痛みも取れます。また、中にはがんと診断された人のがん細胞がいつの間にか消えていたという臨床実験の結果も報告されています。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ナレーション
この営業員の話は30分に及びました。集まった人たちは高齢者が多く、誰でもどこかに体に不安を抱えており、いつの間にか話に引き込まれていきました。
営業員: いかがですか?今日は特別価格で、1ヶ月分通常30万円のところを15万円でおわけしています。来週からは30万円になります。この機会にぜひお求めください。
はなこ: 「30万円を15万円」といっても、高すぎるわよね?
まちこ: でも、私もひざが痛くてね。医者に行っても、ちっともよくならないし・・・がん細胞も消えたって言ってたわよ。
はなこ: それはそうだけど・・・。
営業員: どうされますか?実はこの開店セール、今日が最終日でして、1週間この価格で販売していたんですが、わざわざ追加で買いに来て下さったお客様もいらっしゃるんですよ。
まちこ: いえね、私はずっとひざが痛くてね、何かいいものがないかと思っていたところなんですよ。
はなこ: でも、15万円なんて私は払えないわよ。
営業員: そういう方のために、当社独自の分割払いでもお求めになれますよ。月々6千円くらいなら無理なく支払えるでしょう。
まちこ: 私は買うことにするわ。でも、無くなってしまったら、次から30万円で買うことになるの?それはちょっとねえ。
はなこ: そうよ、ちょっとやめといたほうがよくない?
営業員: では、こうしましょう。うちは、これからもあちこちの地域でお店を開く予定です。それぞれのところで開店セールを開きますので、特別にお知らせしましょう。そこまでおいでいただければ、15万円でおわけできますよ。
まちこ: えーっ、本当ですか?それはちょっと素敵ね。
はなこ: そうね、バスで行けるところなら、私たち高齢だから無料で行けるし。
営業員: もし、お友達も連れてきていただけたら、さらにサービスしますよ。今後、新製品を出す予定ですので、そちらも特別価格でおわけしますよ。
はなこ: 本当に!じゃあ、私も買うわ!
営業員: ありがとうございます。 ナレーション
こうして2人は、15万円の健康食品を買いました。そして開店セールの連絡が入ると、いそいそと出かける日が続きました。そんなある日・・・。
はなこ: まちこさん、いるかしら?ちょっと相談があるんだけど・・・。
まちこ: あら、はなこさんどうしたの?
はなこ: 実は、夫に健康商品をたくさん買っていたことが知られて、怒られちゃったの。さすがに1セット15万円とは言えなくて、「安かった!」と言い張ったんだけど。50万円も使ったことがばれちゃったらどうしようかと思って・・・。
まちこ: 実は、私も半年間飲んでも、ひざの痛みがちっともよくならないし、ちょっと変だと思うのよ。本当によい商品だったのかしら?
お金も、年金暮らしでは1セット1ヶ月6千円といっても、5セットも買うと結局月々3万円でしょう?困っていたところなのよ。
はなこ: まちこさんもそうなの?!私たち、だまされたのかしら。何とかならないかしら。まだ手をつけていない商品もたくさんあるのよ。
まちこ: 私もよ。これ返せないかしらねえ。
はなこ: ねえ、この前テレビで言ってたけど、こんなときに消費生活センターとかいうところで相談できるみたいよ。ちょっと相談してみない?
まちこ: ああ、私も聞いたことがある!たしか無料って言っていたから、相談してみましょうか。
はなこ: そうしましょう! ナレーション
こうして2人は消費生活センターに相談に行くことにしました。
|
|